人見知りが激しく対人恐怖症気味の自分であったので、
その本に書かれていることで自分ができそうなのは、
クワドラントでいうB(ビジネスオーナー)かI(投資家)かと
いうと間違いなく投資家の道であった。
ビジネスオーナーになるには、従業員を雇い、リーダーシップを発揮して
組織を導いていかなくてはならない。
会社で少人数の会議で発言するのも緊張してしまう自分には
とても進める道ではないと思っていた。
なので、さっそく不動産投資の情報をインターネットで調べたり、
休日には不動産屋を回り情報集めることにした。
何冊かの本を読んだり、セミナーに参加して勉強したりして、
数か月の後、ようやく一棟物のマンションを融資で購入しようと決めた。
いろいろ勉強した結果、不動産投資は中古の一棟物が一番いいと分かり、
一棟物の中古のマンションを中心に探していた。
しかし事情が変わった。金融の引き締めにあい、
年収1000万以上ないと銀行から融資が受けられないという事になった。
それまでは平均的な年収のサラリーマンであれば、1億くらいの融資を受け
一棟ものと呼ばれる、何戸かの世帯が入る大きなマンションを購入する事が
可能であった。
情勢が変わったのであれば個人にはどうすることもできない。
また情勢が変わるのを待つか方針を変えるしかない。
何年も待つことになるだろう。そんな気長に待つことはできなかった。
仕方なく中古のワンルームマンション投資に方針を切り替えることにした。
信頼のおけそうな不動産投資専門の不動産会社を訪問し、
ワンルームマンションを紹介してもらうことにした。
しばらくして、都内23区の少しはずれではあるが、地下鉄から徒歩1分、
立地は申し分ないワンルームマンションを紹介してもらい即購入することにした。
かつてのバブル期であれば、購入した不動産をすぐに転売して利ざやを稼ぐ
キャピタルゲインで大もうけという時代もあったようだが、
今となっては不動産投資はインカムゲインという家賃収入で収益を
得ていく方法がメインとなる。
銀行に融資をしてもらい、月々銀行に利息分を支払い、管理費などを差し引いて、
ワンルームマンション一戸からの収入は年間にすれば微々たるものだ。
何十個も持てばそれだけで生活もできるだろうが、一戸だけではたかが知れている。