外資系の会社に転職したはいいが英語力が全くなかった。
入社当日に本国アメリカから来ていたグローバルマネージャーを
紹介され、挨拶をすることになったのだが、あいさつ程度でも
相手が何を言っているのか分からなかった。
仕方なく引きつった笑みを浮かべるだけで、何も言葉がでずに
挨拶は終了した。
この時点である程度、この会社での将来は決まったのだろう。
翌日から当初予定されていた新宿勤務ではなく、八王子勤務となった。
新宿であれば片道1時間の電車通勤。八王子となると電車で片道2時間。
車でも2時間前後。
車の運転が好きな僕は、車通勤で通う事にした。
車の中でも英語の勉強ができる方法はないかと、いろいろ調べていると、
英語の本を音声で読み上げてくれるオーディオブックという
CDがある事を知った。
とにかく耳を慣らすのが先決だと思い、ひたすら英語を聞いて、
耳を慣らそうと考えたのだ。
その当時はiPhoneなどのスマートフォンが無かったので、PodCastなど
英語を勉強できるような教材はNHKのラジオ講座くらいしか
思い当たらなかった。
オーディオブックもアメリカではポピュラーなようだが、
日本ではあまり売られていなく、たまたま検索でヒットした
「Rich Dad Poor Dad」というタイトルのオーディオブックをネットで
購入することにした。
CDが届いて早速、次の日から通勤時に聞くことにした。
しかしその本のナレーターが話す英語も99%聞き取ることができなかった。
実は外資系に転職した理由は学生時代からグローバルに活躍するエンジニアに
なりたいという思いがあったのだが、
新卒で入社した会社はコテコテの日本企業であった。
心のどこかに学生時代の思いがあったのか、ちょうど募集をしていた外資系の
会社を見つけて転職することになったのだ。
なので、英語は学生時代は得意な科目の1つでもあった。
社会人になっても何かしらの機会があっては英語の勉強をしていた。
例えば日本の会社にいた時も社内での英語研修には数年続けて参加していたし、
ヒアリングマラソンという教材も購入して勉強していたこともあった。
それが全く実践では役に立たない事が、今さらながら思い知らされたのだ。
小学校の5年生の時に近くの英語塾に入り、中学、高校、大学の一般教養、
社会人になってからの勉強、その程度では語学を習得することは
できないという事を身をもって感じた。
よく考えてみれば当たり前だが、学校で習う英語は読み書きのみ。
学校の授業では、たまにカセットテープで音声を聞かせてくれる程度。
社会人になって勉強したといっても、週に1時間程度。
そんな程度で聞く、話すという会話ができる訳がない。
車の中で聞き取れなかった「Rich Dad Poor Dad」だが、一度日本語で
意味を理解してから、再び聞けば英語の音声と意味がリンクして、
何回も聞くうちに英語が聞き取れてくるのではないか、
そんな期待から日本語版の本を読んでみることにした。
英語のタイトルから日本語版は「金持ち父さん貧乏父さん」だと
その当時、本屋に行くと目立つところに置いてあったので、
すぐに分かった。
早速購入して読んでみることにした。
読んでみたところ、目から鱗が落ちたというのか、今まで全くしらなかった
事が書かれていた。
学校の先生や親には一切教えてくれない内容が書かれていた。
簡単に言えば、出世の見込みもない自分のような平凡なサラリーマンでも
豊かな生活は誰でも送る事はできるという内容であった。